2020.11.30 通販会社
「LINEデリマ」がサービス終了へ、出前館とブランド統合
(株)出前館はこのほど、LINE(株)のLINEアカウントとの連携を開始し、LINEによるログインやクーポン配信などに対応した。LINEが展開する「LINEデリマ」は12月20日に出前館へ統合し、サービスを終了する。両社は3月に資本・業務提携を締結。共通するフードデリバリーサービスのブランドを統合し、共同で事業を推進すると公表していた。
利用可能な店舗に変更なし、「出前館」に連携でデータも自動移行
「出前館」にLINEアカウントを連携すると、LINEアカウントで2段階認証のセキュリティ強度を保ちながら、「出前館」へのログインが可能になる。さらに、「出前館」のLINE公式アカウントでパーソナライズ化されたクーポンやチラシなどのお得情報を受け取れる。
従来の「LINEデリマ」公式アカウントは、サービス統合に伴って「出前館」に変更。「LINEデリマ」は、もともと「出前館」と事業提携していたため、「出前館」のサービスへ移行しても利用できる店舗などに変更はない。
「LINEデリマ」のユーザーが「出前館」に連携すると、12月20日までの利用時の「お届け先」「お気に入り」「注文履歴」などが自動で移行される。同時に、「出前館」の会員プログラム「出前にゃんクラブ」の対象にもなる。出前館IDがある場合は所定のページからのデータ連携で、移行手続きは完了。ない場合はID作成の上、連携する。移行日は同21日。
コロナ禍で店舗数・会員数が400%増
「LINEデリマ」は、2017年からサービスを始め、参加店舗は1万8500店以上、ユーザー数は2000万以上と成長。特に若い女性に人気だった。「出前館」は20年の実績があり、全国に4万店余の加盟店を持ち、年間オーダー数は3000万件を超える。LINEは出前館と16年に業務提携し、株式の一部を取得。当初から出前館のサービスと密接に連携し、データベースの提供を受けるなどの「協業関係」にあった。
LINEは3月、出前館の株式の追加取得と資本・業務提携契約を締結。300億円を出資し、出前館をグループ会社化した。この際に合意した内容が、「LINEデリマ」事業の名称を「出前館」に変更などだった。さらに9月には、LINEのテイクアウトサービス事業「LINEポケオ」を出前館の受注オペレーションへ追加して出前・宅配事業「出前館」へ統合するとしていた。
コロナ禍でデリバリー需要は急増。「出前館」は緊急事態宣言期間中、前年比で新規登録店舗数、同会員数とも400%以上増加した。同時に国内外から同業の新興モデルの参入も相次ぎ、競争環境が激化。両社が展開する出前プラットフォームを通じて国内フードデリバリー市場のシェアを維持するとともに、提携関係の強化でテイクアウト分野などを含めた事業領域の拡大を図り、企業価値のさらなる向上をめざす考えでいる。
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