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2013.07.26 コラム

フルフィルメントのトレンドは、コストセンターからCRMセンターへ

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ザ・通販フルフィルメント―収益低迷企業の再生セオリー

 

「フルフィルメントを『単なるコストセンター』と捉えるのは、もったいない」。そう語るのは、通販事業専門のコンサルティング会社、トリノリンクス(本社東京)の三田栄一郎社長。数々の通販事業者を支援してきた三田社長に、「通販事業者にとってのフルフィルメントとは?」をテーマに、数回にわたってお話を伺います。

 

第一回目は、フルフィルメントの最新事情について。

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——今日は、よろしくお願いします。この連載は「フルフィルメント」を切り口にし、毎回異なるテーマを設けて三田さんにお話いただくものです。まずは初回なので、フルフィルメント全体の最新事情について教えていただけますでしょうか?

(三田)分かりました。それでは、物流とコールセンターの最新事情についてお話したいと思います。まず物流ですが、通販事業者にとって物流業務の合理化は永遠の課題です。日々改善に取り組んでいると言っても言い過ぎではないでしょう。その取り組みを一言で表現すると「経費効率の改善」ですね。しかし、物流費用を「商品のお届けに要する経費」と単純に捉えてしまうのは間違っています。通販の物流業務はマーケティングの一翼を担う重要な機能でもあるのです。

 

——それは、具体的に言うとどういうことでしょうか?

(三田)昨今、「翌日配送」や「返品送料無料」という言葉を耳にする事が増えてきましたよね。物流業務だけで見るならば、これらは物流経費の削減とは正反対の動きといえます。翌日配送を実現するには、出荷処理を1日に複数回行わねばなりませんから相応の準備と遂行上の労力が必要です。返品送料無料も、通販事業者側の費用負担が増える動きです。それなのに、何故通販事業者はサービス強化に動くのか。これを考えると分かりやすいですね。

 

——なるほど、物流関連サービスによる差別化という観点ですね。

(三田) そうです。もうひとつ直接的な例もあります。通販事業者が新客を獲得する手段として、他社通販事業者の商品同梱サービスが利用されていますよね。これは、商品同梱が「費用対効果が高いメディア」だからです。このように物流はマーケティングの一翼を担っているのです。余談ですが、ネット通販事業者の中には、自社商品を届けする箱の中が活用されていないケースが意外に多いようです。自社商品を初めて手にしてくれるお客様との最初の接点を、効果的な媒体として活用していないのはもったいないですよね?

 

——どうしてネット通販企業の多くは箱の中を活用していないのですか?

(三田)様々な要因があるとは思いますが、「アナログ媒体への警戒感」が要因のひとつだといえるでしょう。ネット通販の場合、広告料金の基本にある考え方は「成果報酬型課金」です。初期投資が先行するリスクが低い環境でビジネスを展開しています。一方、箱の中でのアプローチは制作費、印刷費等の初期投資が必要になるアナログ広告です。投資が先行することへの警戒感が、箱の中の活用に二の足を踏んでいる側面があるといえるでしょう。

 

——コールセンターについてはいかがですか?

(三田)はい、コールセンターにも特徴的な動きがあります。それは、VIP専用ダイヤル、ロイヤルデスク等、上位客専任の担当を置く動きです。

 

——詳しく教えてください。

(三田)ネット通販の拡大に伴い、顧客対応も電話からメールへのシフトが進んでいるのはご承知の通りです。 ユーザー側の変化もあるでしょうが、実は事業者側の事情が大きく影響していました。電話対応は、入電時にコミュニケーターが応対せねばなりません。人員不足或いは入電集中等で応対ができないとお客様はストレスを感じますので、事業者側はあらかじめ一定の人員を確保せねばなりません。また、応対スキルにバラツキがあってはならないので、一定レベルの教育が必要になります。一方、メール対応は受信直後に返信しなくても、お客様にストレスを感じさせることはありません。また、返信の内容もメールのテンプレートを共有することにより個人差が生じることがありません。このような背景からメール対応を強化してきたわけです。 そんな中、顧客対応にもマーケティング機能を強化する動きが始まっています。それは、お客様の購買力に応じて、顧客対応のレベルを変えていこうとする動きです。これは、一昔前の「コールセンター全員コンシェルジュ化」のような動きとは異なり、顧客セグメンテーションに基づいてLTVの高いお客様には更に高いサービスを提供しようとする考え方に基づいています。

 

——詳しく教えてください。

(三田)上位顧客にだけ専用のフリーダイヤルをお伝えして入電時の応答率を高くする、上位顧客だけ返品や交換を特別に承る、上位顧客にだけ特別なご連絡を差し上げて優待する等が一例です。上位客へのマーケティングを強化し、顧客対応でLTVを更に引き上げようという取り組みですね。この動きは、顧客セグメンテーションの精度が高ければ高いほど効果的ですから、今後も更に水面下で進んで行くでしょう。

 

——時代の流れや、マーケティング強化の動きに呼応して、フルフィルメントが変化しているということですね。ありがとうございました。今日はこの辺で終わりにし、次回以降もう少し深堀したテーマでお話をお伺いしたいと思います。

(聞き手 公文紫都)

 

<この連載は、不定期でお送りします。>

 

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株式会社トリノリンクス 代表取締役社長 三田 栄一郎 e-mail:info@trino-links.co.jp TEL:03-5466-7870 通販・ダイレクトマーケティング・フルフィルメント・ソリューション 株式会社トリノリンクス http://www.trino-links.co.jp/ ======================================

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