2026.04.09 通販会社
朝決めて昼に動く。ライフドリンク カンパニーが楽天SOYを6年連続で受賞できる理由
楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(以下SOY)は毎年、多くのEC事業者が目指す賞だ。その中で、2020年の出店初年度から6年連続受賞を続けているのがライフドリンク カンパニーの「LIFEDRINKオンラインストア 楽天市場店」である。2025年は水・ソフトドリンクジャンル大賞の3年連続受賞も達成した。
受賞を継続するためにどのような運営努力をしているのか、そして2025年にどんな取り組みで受賞となったのか。EC事業部マネージャーの柘植紀衣氏に話を聞いた。
新規獲得を別軸で設計、インフルエンサーで「ものづくり」を訴求
——2025年の楽天運営で、特に力を入れた取り組みを教えてください。
柘植紀衣氏(以下、柘植):
新規顧客の獲得です。出店から6年目に入り、市場内でのシェアがある程度固まってきたタイミングで、新規の伸びが鈍化してきました。リピーター向けの施策とは完全に別軸で、新規向けのクーポン発行・広告・楽天経済圏外への露出を強化した1年です。
インフルエンサーとの取り組みも行いました。楽天ルームでフォロワーの多いインフルエンサーさんに本社や工場を見学してもらい、商品ができるまでの現場や普段の商品開発の様子を紹介していただきました。私たちが扱うのは水や炭酸水、お茶といった普遍的な商材で、ビフォーアフターが見えにくい。だからこそ、工場のこだわりや製造現場を通じて商品への愛着を持ってもらえたらという狙いで、会社や製造の背景に深く切り込む内容をご提案しました。
——2024年末に完全内製化を果たされました。運用体制の変化によって2025年の現場はどう変わりましたか。
柘植:
最も大きな変化は、意思決定のスピードです。代行時代は広告運用もページ制作も外部にお願いしていて、何かを変えるたびに発注書を書いて確認のやりとりが発生していました。今は朝思いついたことを昼に実行できる体制になっています。
デザインも内製化していて、ページを変えたい時に社内に声をかければその日に対応できる。同じ会社なので目線が合っていて、素早くいいクリエイティブが上がってくる。クリエイティブ周りは外注だと時間がかかりやすい部分ですが、そこが他社と比べて速いのは強みだと感じています。やってみて良くなかったら変えてもらおう、というお願いがしやすいのは社内ならではだと思っています。
内製化当初は、それまで代行にお任せしていた業務を社内で巻き取るため、一人ひとりの業務量が増えました。社内にノウハウがない状態から積み上げていく部分は大変でしたが、PDCAのサイクルが格段に速くなったことで十分に回収できたと思っています。
ECC担当者との連携、「すぐ返事」と「工場見学」が関係を深める
——楽天のECC担当者とはどのような連携をされていますか。
柘植:
チャットと電話でほぼ毎日やりとりしています。市場全体の動向やジャンルの状況についても、さまざまな情報を共有してもらっていて、施策に活かしています。
——担当者との関係を深める上で、意識していることや工夫していることを教えてください。
柘植:
担当者から提案をもらった時に「上司に確認してから」となると、機を逃してしまうことがある。内製化で担当者に裁量が集まっているからこそできる即断を心がけています。断る場合も「こういう理由でできない」と明確に伝えることで、次の提案の精度が上がります。
担当者には工場見学もしてもらいました。新商品・新サービスの提案をいただくことがあるのですが、言葉で説明するよりも実際に現場を見てもらう方が「できる」「できない」をリアルに理解してもらえる。やれることとやれないことを先方が判断できるようになり、実行できる施策だけで議論できる関係になりました。お互いの時間を有効に使えるという点でも、効果的な取り組みだったと思っています。
ライフドリンクカンパニー EC事業部マネージャー 柘植紀衣氏
6年連続受賞のプレッシャー、2025年は苦労を乗り越えて受賞
——6年連続受賞という状況の中で、社内ではどのような雰囲気がありましたか。
柘植:
「取れて当然」という空気がありました(笑)。出店初年度から受賞が続いているので、取れないことがあまり想定されていない。外からの期待よりも、社内の基準の方が高い。それが正直なところです。
——2025年の受賞に向けて、苦労したことを教えてください。
柘植:
7、8月の飲料が最も売れる時期に在庫の供給が追いつかず、売上が前年を下回りました。SOYは前年比110%超がノミネートの条件になるのですが、8月終了時点でその条件を満たせていない状況でした。
部内で「楽天に在庫を集中させよう」という方針を決め、他モールより楽天への在庫確保を優先しました。それでも10月時点で数字が厳しく、一度は諦めかけたタイミングもありました。そこで楽天の担当者の方々に状況を相談したところ、「最後まで一緒に頑張りましょう」といろいろと有効な施策のご提案もいただき、それが追加予算の確保につながりました。10・11月は前年施策を踏襲しつつ割引率を上げ、さらにインフルエンサー施策も投入して巻き返しました。秋冬は売上が落ちやすい時期ですが、外部広告でアクセスを引き込みながら、リピーターにも強めにプッシュして数字を積み上げていきました。最終的には条件をクリアし、6年連続受賞につながりました。
受賞できた時の社内の喜びは例年以上のものでしたし、ジャンル大賞3年連続もチームにとって大きな達成感になりました。
1モール1担当制で裁量を集中、店舗型とマーケットプレイス型で戦略を変える
——楽天市場だけでなく、多数のモールを運営する上で、体制づくりで工夫していることを教えてください。
柘植:
1モール1担当制で、広告費の増減を含む意思決定の権限をすべて担当者に持たせています。縦割り組織だと決定までに時間がかかるので、担当者がその場で判断できる体制にしました。各担当者がそれぞれのモールに深く精通することで、スピードとPDCAの速さを両立しています。各モールの動きは定期的な会議で共有し、事業部の部長が全体を把握する形でカバーしています。
——モールごとに運営の考え方は変わりますか。
柘植:
変わります。楽天のような店舗型モールはお店全体のファンがついていて、新商品を出すと「ライフドリンクから出たから買ってみた」という流れが生まれます。入口商品で入ってきたお客様が店舗内を回遊してテールの商品も買ってくれるので、リピーターをメルマガなどで育てていく王道の戦い方が有効です。
一方、Amazonのようなマーケットプレイス型は商品単位でファンがつくので、一点一点の広告を丁寧に最適化する必要があります。試行錯誤を重ねた結果、最近やっと勝ち筋が見えてきました。2つのタイプの戦い方がわかってきたことで、市場規模のある新興モールへも積極的に出店していく方針です。その一環として、2026年2月にはメルカリShopsにも出店しました。
生産体制の強化とジャンル大賞4年連続を目標に
——生産体制の強化によって、今後のEC運営はどう変わっていきますか。
柘植:
工場の数と生産能力は年々上がっています。2024年に主力商品の名称を「ZAO SODA」から「OZA SODA」に変更しましたが、これも製造拠点が複数に増えたことで特定の工場名に依存しない名称にする必要があったためです。九州の工場が加わったことでシリカ入りの新商品も生まれるなど、工場が増えることで商品の横軸も広がります。
2026年は群馬に新工場が稼働し、製造能力がさらに上がります。2025年の夏のような供給が追いつかない状況は、今夏は防げると見込んでいます。
——2026年に向けて、楽天をはじめとしたEC事業で取り組んでいきたいことを教えてください。
柘植:
楽天での目標はジャンル大賞の4年連続です。総合順位よりも、「楽天の炭酸水はOZA SODA」というブランドを守り続けることを優先しています。物流費や原材料費の変動など、外部環境への対応は続きますが、低価格で安全安心な商品を届けるというモットーは変わりません。楽天内だけでなく外部からの集客強化にも引き続き取り組んでいく予定です。
——最後に、読者のEC事業者へメッセージをお願いします。
柘植:
私たちは担当者に広告予算の裁量を持たせていて、勝ち筋が見えている時には追加投資も柔軟に認めています。勝負どころでしっかり投資することで、ランキングが上がってページ評価も向上し、結果的にコスパが高くなる。予算の枠内でしか動けないと感じているなら、一度殻を破ってみてほしいです。現場の判断を尊重して、チャレンジを応援できる組織づくりが、継続的な成長につながるのではないでしょうか。
——ありがとうございました。
■ライフドリンクカンパニーのホームページはこちら
https://www.ld-company.com/
■LIFEDRINKオンラインストアはこちら(楽天市場)
https://www.rakuten.co.jp/lifedrinkcompany/
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