2025.09.03 事件・トラブル
基準値超のTHC含むCBD製品 麻向法の「麻薬」に該当
サントリーホールディングスの新浪剛史会長が辞任した問題で、複数の全国紙が新浪氏が購入したサプリメントに有害物質のTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれていたとし、さらに朝日新聞は独自取材により、サプリメントはCBD(カンナビジオール)だったと報じた。CBDの規制については2024年12月に改正法が施行され、基準値を超えるTHCを含むCBD製品は、麻薬・向精神薬取締法(麻向法)の下で「麻薬」として扱われるようになっている。
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CBDサプリ、自主回収の事例も
厚生労働省は大麻取締法と麻向法を改正し、CBDに関する新たな規制を導入。改正前は、大麻取締法に基づき、「種子」と「成熟した茎(樹脂を除く)」に限定して食品への利用を認めていた。改正によって、THCの残留限度値を設け、これを超えた製品については、麻向法に基づいて「麻薬」として取り締まることになった。いわゆる「部位規制」から「成分規制」への転換だ。
今回の新浪氏の問題で、“大麻取締法違反”と報じたメディアもあるが、基準値オーバーのTHCを含むCBDサプリメントの場合、麻向法による取り締まりとなる。
関連法が改正された背景の1つに、CBD業界や議連からの強い要望があった。CBDのサプリメントについては、品質管理の不備によってTHCが残留することがあり、従来、行政の取り締まりによってしばしば自主回収が行われてきた。このため、CBD業界は、取り締まりの基準だった「不検出(ND)」を見直して、微量のTHC残留を容認するよう要望した。
また、改正前の状況を取り締まりの側から見ると、大麻草由来のTHCは大麻取締法で規制する「大麻」に該当し、同法の取り締まりの対象だった。一方、化学合成のTHCは、麻向法で規制する「麻薬」に該当し、同法の取り締まりの対象となっていた。しかし、大麻草由来か化学合成かを科学的な分析によって識別することが困難という問題もあった。
「ストレス軽減」など広告の問題も
厚労省は2024年12月12日、改正法を施行。残留基準値を超えたTHCを含むCBD製品については、麻向法の下、「麻薬」として扱われ、製品回収などの行政措置、または懲役や罰金刑を科す刑事事案として処理されることになった。
微量のTHC残留が容認されるようになり、大手製薬会社が参入する動きも見られたが、有名ブランドを持つ食品メーカーや飲料メーカーでは様子見が続いている。食品業界内には「(違反した場合の)リスクが大きい」と懸念する声も。また、サプリメント業界では「予想したほどの盛り上がりは見られていない」という声が聞かれている。
直近では、福岡県が5月23日、店舗で販売されたCBDのグミから、基準値を超えるTHCが検出されたと発表し、事業者に販売停止を指導している。
このほか、CBD製品をめぐっては、インターネット上のサイトで「ストレス軽減」などをうたうケースが見られるなど、広告の問題も指摘されている。
(木村 祐作)
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