2023.02.10 調査・統計
SDGsで優先するゴール、「働きがいも 経済成長も」が急上昇
(株)インテージが9日発表した『SDGsに関する調査 2023』によると、「SDGsで優先的に取り組むゴール」として、「働きがいも 経済成長も」への関心が急上昇。高まりの背景には、昨今の物価上昇や生活費高騰の影響がありそうだ。

22年1位の「貧困をなくそう」が23年には4位に
同様の調査は20年から継続的に実施。23年は1月18日~20日に、全国15歳~69歳の男女2513人に聞いた。それによると、SDGsの認知率は83.7%。22年までは毎年大幅に上昇(20年:27.8%→21年:52.2%→22年:79.8%)していたが、これ以上は大きく上昇しない水準に達したと言えそうだ。
「SDGsで優先的に取り組むべきゴール」は、この3年間でどう変化したのか。21年から継続して、「すべての人に健康と福祉を」「平和と公正をすべての人に」「気候変動に具体的な対策を」「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」が上位5位に入っていて、上位となるゴールの顔ぶれ自体には変化は見られなかった。
ただ、順位の入れ替わりには世相の影響が見られた。22年に1位だった「貧困をなくそう」は、23年には4位に下がっていた。長引くコロナ禍で経済活動の縮小に直面していた昨年に対して、23年には感染対策と経済活動の両立が進み、「貧困問題」が相対的に意識されにくい状況となったのかも知れない。
「平和と公正をすべての人に」が2位に
また、23年には「平和と公正をすべての人に」が、「すべての人に健康と福祉を」に続いて2位となった。「平和と公正」はコロナ禍真っただ中だった21年2月には1位。このときには、「世界が直面しているコロナ禍問題には、自国の利益だけ考えて利己的な行動を取っていては解決できず、公正性が求められること」を反映しているのではないかと考察していた。
一方、23年に順位を上げたのは、「平和」を求める思いの表れと考えられる。昨年2月に始まった、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は未だ続いていて、現地の被害状況や避難民の様子、経済やエネルギー面も含めたさまざまな戦争の影響が連日報道されている。戦争が終結し、平和が取り戻されることへの願いが反映された結果と言えそうだ。
「働きがいも 経済成長も」が圏外から7位にランクイン
23年に注目したいことは、もう1つ。「働きがいも 経済成長も」の急上昇だ。21年・22年は上位10位圏外だったのが、23年には7位になっていた。「働きがいも 経済成長も」への関心が高まった背景には何があるのか。生活者が関心を持つ社会課題・テーマと関連付けてみると、昨今の物価上昇・生活費高騰の影響が見てとれる。
30の社会課題・テーマの中から「関心のあるもの(いくつでも)」「最も関心のあるもの(1つ)」を選んでもらった結果は、「物価上昇、生活費高騰」がともに1位だった。物価高が生活を直撃する中、日本では20年以上にわたって賃金が伸び悩んでいる。一部企業では賃上げの動きが見られるものの、経済がよくならないと生活も楽にならないという思いが、「働きがいも 経済成長も」への関心の高まりにつながっていると推察できる。
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