2022.03.25 調査・統計
後払い決済を利用した新成人、26%が「無理のある購買」を経験
関西大学の本西泰三・経済学部教授の研究グループが24日発表した『後払い決済利用に関する未成年者の金融行動調査』のまとめによると、4月から新成人となる18歳と19歳の回答者のうち、利用者の約26%が「無理のある購買」を経験。新成人の男性利用者に限れば、この割合は35%に上ることが判明した。

※【質問1】「手持ちの現金や預金などを合わせても払えない金額の買い物を、後払い決済サービスで支払ったことはありますか」
※【質問1】「手持ちの現金や預金などを合わせても払えない金額の買い物を、後払い決済サービスで支払ったことはありますか」
後払い決済の利用者は女性の方が高い傾向に
若者の間でも急速に拡大しつつある後払い決済サービスの利用。このサービスを利用すると、商品の購入に際して実質的な借り入れを容易に行うことができ、中高生を含む未成年者も利用が可能だ。金融経験の少ない未成年者の後払い決済に関連した行動を明らかにすることを目的に、調査は今月10日、15歳~19歳の計2000人に試みた。
主要な後払い決済サービスの名前を挙げて利用経験を尋ねたところ、「利用したことがある」は570人。18歳と19歳が35%(男性29%・女性40%)、15歳~17歳では24%(男性20%・女性28%)と、女性のほうが高い傾向が見られた。一般に男性のほうが活発な傾向がある金融行動で、特徴的な結果だという。
若年層の「無理のある購買行動」はリスクの高い金融行動?
利用経験があると答えた570人(18歳と19歳300人、15歳~17歳270人)に、「手持ちの現金や預金などを合わせても払えない金額の買い物を、後払い決済サービスで支払ったことはあるか」を聞いたところ、「ある」は18歳19歳で26%(男性35%・女性20%)、15~17歳では27%(男性39%・女性17%)だった。この割合は男性の方がかなり高い傾向で、15~17歳男性の割合が39%と高い点も注目される。
研究グループでは、こうした行動は実質的な借り入れ。収入基盤の弱い未成年者にとっては代金の滞納に直結しかねない、「無理のある購買行動」であり、またリスクの高い金融行動でもあると指摘している。
さらに、後払い決済利用後に代金を滞納した経験は。一度でも経験したことがある人は33%に上っていた(188人/570人)。18歳と19歳では30%(男性37%・女性26%)、15歳~17歳では36%(男性49%・女性27%%)だった、割合は女性よりも男性のほうが高く、15~17 歳男性の半数近くが代金の滞納を経験したことがあると答えた点にも注意が必要としている。
後払い決済利用時の保護者への相談は「事前に許可を得ず」が41%
後払い決済利用時に保護者に相談したか――。「事前に許可を得ず」(「相談しないで」「相談して止められたが」)の割合は41%(224人/540人)だった。18歳と19歳は51%(男性44%・女性56%)、15~17歳は30%(男性29%・女性32%)だった。「保護者に相談しないで利用し、いまも保護者に話していない」割合が、男性よりも女性の方が高い点が特徴的だ。
半数程度が保護者の事前許可を得て利用している18歳と19歳は4月以降、保護者の許可が不要となる。さらに後払い決済の利用が拡大することを通じて、無理のある購買行動や代金の滞納が増加する可能性がある点には注意が必要だ。
研究グループは、後払い決済は、クレジットカードを保有している場合が多い大人が利用することはそれほど多くないため、保護者側でサービスに対する認識が不十分な場合もある。こうした新しいタイプの金融サービスについて、4月以降は未成年者としての保護を受けられなくなる新成人に対する啓発と同時に、4月以降の未成年者にも金融教育などの場で情報を伝えていくことが必要としている。
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