2020.09.24 調査・統計
コロナの影響で上方修正した上場企業、スーパーのライフが増額トップに
(株)東京商工リサーチがこのほどまとめた上場企業「新型コロナウイルスによる業績上方修正」調査によると、感染拡大が要因となった上方修正は186社にとどまった。売上高の上方修正額で最も大きかったのは、Amazonと連携したネットスーパーも展開する食品スーパーの(株)ライフコーポレーションだった。
186社の上方修正額は2732億円
1月以降、適時開示で「業績予想の修正」や「従来予想と実績との差異」などで、9月16日現在で業績の上方修正を開示した上場企業のうち、新型コロナの影響を理由にあげたものを抽出し、集計した。
コロナ禍の影響で急激に景気が落ち込む中、業績を上方修正した上場企業は延べ186社となり、全上場企業3789社の4.9%にとどまった。上方修正額の合計は、売上高が2732億1300万円、最終利益が915億1600万円となった。
1176社の下方修正額は10兆円超に
一方、下方修正した上場企業は延べ1176社で上場企業の31.0%を占め、売上高の下方修正額はマイナス10兆7367億円、利益がマイナス5兆765億円に達した。上方修正と下方修正の社数は6倍以上の差があるが、新型コロナによる想定外の事業環境下でも、業績アップに寄与するケースが出てきた。
上方修正企業の業種別で最多は製造業が57社(構成比30.6%)。コロナ禍で、在宅勤務や生活様式の変化などで需要が伸びた食品や衛生用品関係などが中心だった。また、食品スーパーやホームセンターなど、外出自粛で巣ごもり消費が寄与した小売業が39社(同20.9%)、テレワーク需要の高まりやオンライン関連事業の需要発掘が業績向上につながった情報・通信業が33社(同17.7%)と上位を占めた。
理由別では、出張自粛や商談のオンライン化、人件費の削減などによる「経費減少」が77社(構成比41.3%)で最多だった。以下、「巣ごもり消費の増加」が51社(同27.4%.)、「内食需要の増加」が35社(同18.8%)と続き、消費行動の変化にマッチした業態で業績を伸ばしたことを裏付けた。
ライフは265億円の上方修正
売上高の上方修正額で、最も大きかったのはAmazonフレッシュとの連携も行っているライフコーポレーション(21年2月期第2四半期)だった。「不要不急の外出自粛、テレワークの推進、在宅学習などの動きが加速し、急激な巣ごもりや内食需要が喚起され、足元の売上規模が大きく拡大した」として、2度の開示で計265億円の上方修正を行った。
SH-HDは200億円の上方修正で3位に
次いで、業務スーパーを手がける(株)神戸物産(20年10月期第2四半期)の241億円。同社も「外出自粛や在宅勤務の広がりなどによる内食需要の高まり」を理由に挙げている。巣ごもり消費でBtoCの取扱が増えた「佐川急便」のSGホールディングス(株)(21年3月期第2四半期)と、日本郵船(株)(21年3月期通期)が200億円で続き、コロナ禍による特需で配送収入が増えた運輸業の2社が並んだ。売上高が従来の業績予想より100億円を超えた上方修正は6社だった。
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