2020.01.20 調査・統計
19年スポーツアパレル市場、3.5%増の5742億円…メーカーに手詰り感も
(株)矢野経済研究所がこのほど公表した2019年の国内スポーツアパレル市場の調査結果によると、国内市場規模は前年比で3.5%の成長を見込んだ。併せて、参入メーカーや流通動向、将来展望を明らかにした。
競技系アパレルは苦戦も街着需要で全体はプラス成長に
メーカー出荷金額ベースで市場規模は、前年比3.5%増の5742億3000万円。サッカーや野球、テニスなどの各ウエアをはじめとする競技系アパレルは苦戦を強いられたが、アウトドア、ライフスタイルウエアなどが、旺盛な街着(スポーツウエアの日常着用)需要で大きく伸ばす見込みで、全体市場のプラス成長に貢献している。
アウトドアウエアは構成比21.3%で、出荷実績は1220億4000万円(同14.2%増)、ライフスタイルウエアの構成比は11.0%で、634億円(同12.9%増)を見込んだ。
中堅スポーツブランドとの取り組み強化へ
主要リテーラー(小売事業者)のバイヤーは、売場にアクセントを持たせようと取り扱い店舗数が限られている希少価値の高い、中堅スポーツブランドとの取り組みを強化しているのが特徴だ。スポーツ量販店や専門店の競技者向けウエアのコーナーでは、オンヨネやオークリー、カンタベリーオブニュージーランドといったブランドが急速に売場面積を拡大している。
ライフスタイルウエア(街着向け)のコーナーでは、クイックシルバーやハーレー、ロキシーといったサーフスタイルに特化したブランドのほか、ニューエラやチャンピオンといったストリートカジュアルの商品調達を強化しているリテーラーも増えている。
大手のナショナルスポーツブランドのアイテムに飽きてしまった消費者が多いというバイヤーの分析から、今後も、これらの中堅スポーツブランドとの取り組みによって、売場の差別化を図り活路を見出そうとする動きは続きそうだ。
東京五輪やアスレジャーで市場活性化も新アイテムの不足で苦戦
20年の東京オリンピック・パラリンピック開催やアスレジャー(アスレチック「競技」とレジャー「余暇」を組み合わせた造語)スタイルなど、スポーツアパレル市場の浮揚につながりそうな要素はあるが、近年、新しいアイテムやコーディネイトの提案は見られず、スポーツメーカーの新製品開発は手詰まりに陥っているという。
魅力的なアイテムが存在しないため、スポーツ量販店や専門店はプライべートブランドを強化、一般スポーツ店や百貨店などでも自主企画商品を手掛ける動きが出始めている。多くのリテーラーは、中長期的に自主企画商品を中心とした売場編集でスポーツメーカーに依存しない体質をつくり上げていく方向にある、と見ている。
こうした状況下、20年の国内市場規模は、競技系アパレルの巻き返しも見込みながら、メーカー出荷金額ベースで、5298億4000万円(19年比3.2%増)の予測値を示している。
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