2019.10.18 通販支援
18年度コールセンター市場、微増の9419億円に…21年に1兆円へ
(株)矢野経済研究所はこのほど、国内のコールセンターサービス市場とコンタクトセンターソリューション市場を調査し、サービス別の動向や参入企業動向、将来展望を明らかにした。コールセンターサービスは顧客企業における人材不足からアウトソース需要が堅調に推移、コンタクトセンターソリューションはマルチチャネル化への対応が進んでいた。

電力・都市ガス自由化に伴う需要増が継続し拡大
調査は7~9月。同研究所の専門研究員による直接面談と電話、メール取材。文献調査を併用した。
それによると、2018年度の国内コールセンターサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比2.9%増の9419億円だった。人材不足からコールセンター業務をアウトソーシングする企業が増えたことや、マルチチャネルの問い合わせへの対応を外部事業者に委託するケースが増加したことなどが市場拡大の要因だ。加えて、2016年の電力自由化、17年の都市ガス自由化に伴う関連案件の需要が、18年度も継続して堅調に推移したことが挙げられるという。
矢野経によると19年度の市場規模は9655億円を見込み、21年度には市場規模1兆円に達すると見込んでいる。

コンタクトセンターソリューションの市場規模は2.2%増の4847億円
18年度の国内コンタクトセンターソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比2.2%増の4847億円。大口の新規導入案件こそ少なかったものの、5~7年ごとに定期的に訪れるシステム更改(リプレース)需要や、運営の効率化に向けた機能拡充、マルチチャネル化対応などの需要に支えられ、市場は拡大した。

ソフトウェアの需要が増加基調、AIチャットボットの活用も進む
内訳をみると、ハードウェアは微減傾向だが、ソフトウェアおよびSI・サービス・サポート、SaaS型サービスの需要は増加基調。ユーザー企業の情報システム部門の人手不足に伴うアウトソース化などもあり、ソリューションベンダーに対してはコンサルティング、システム運用、管理、メンテナンスまでを含めたトータルでのサービス提供を求められるケースが顕著になってきている。
コールセンター・コンタクトセンターにおけるAIを活用したサービスの導入事例は、16年前後から見られるようになり、現在ではオペレーター支援やチャットボットなどで活用が進んでいる。オペレーターの人材不足が深刻化する環境下、オペレーション品質と効率化の支援といった目的での活用が注目されている。
チャットボットは、ユーザーの自己解決率向上に寄与している。定型的な業務はAIを活用し、高度でユーザーとのコミュニケーションが必要な業務についてはオペレーターが対応するといった業務の棲み分けが進みつつある。これによってオペレーターはより高度な業務に集中できるようになることから、コンタクトセンターソリューション事業者の多くは提供するサービスのさらなる高付加価値化をめざす方向性を打ち出している。
チャット×音声によるサービスの展開が増加する見通し
コールセンターサービス市場では、ユーザー企業で深刻化する人材不足を背景に、堅調な需要がみられている。コールセンターサービスでのエンドユーザーとの接点は、固定電話に加えWeb、ソーシャルメディア、モバイルチャネルなどのマルチチャネル化がますます進行する環境にある。今後はユーザー企業でのコールセンター業務のアウトソース需要はさらに増加していく見込みという。
コンタクトセンターソリューションでは、コールセンターでのオペレーターの人材確保難や業務効率化を目的として、AIやテキストチャット、音声認識などに対する関心が高まっている。今後、コンタクトセンターソリューション市場ではスマートフォンからのアクセス数増加と消費者のデジタルシフトを反映し、LINE、チャットなどテキストによるチャネルと音声チャネルを連携したサービスの展開がより増加する見通しだ。
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