電話注文時に別の商品を勧誘

　消費者からの相談内容は、テレビショッピングなどを見て販売業者に注文の電話をしたところ、別の商品を勧められ、気づかないうちに定期購入契約が締結されていたというもの。例えば、次のような相談が寄せられている。

　80代の女性が、テレビショッピングで紹介された拡大鏡を購入するため、販売業者に電話したが、突然、「目に良いサプリメントがあるのでサンプルを送る」と言われた。後日、拡大鏡とサプリメントが届いたが、明細書兼請求書には拡大鏡が「プレゼント」、サプリメントが「約3000円」と記載されていた。1カ月後にもサプリメントが届き、明細書兼請求書を確認したところ、1年の定期購入と記載されていたが、注文した覚えはないという。

国セン担当者「昨年度から目立つようになった」

　テレビ・ラジオショッピングを見て電話した消費者に、「サンプルを送るので試してほしい」「別の商品を1回限り購入するだけ」と説明して定期購入契約を結ばせるという手口は、「昨年度から目立つようになった」（相談情報部）という。

　今年6月に施行された改正特定商取引法は、悪質な定期購入商法に対する規制を強化したが、テレビショッピングなどには適用されない。また、電話注文の際に販売会社が行う勧誘は、電話勧誘販売に該当せず、通信販売に当たるため、販売業者による契約書面の交付は不要で、クーリング・オフもない。

　同センターでは、「電話注文の際には商品の名称や価格を確認するとともに、別の商品の購入を勧められても興味がなければ断るように」と呼びかけている。