(株)フューチャーショップは17日、運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの4月~6月(2022年度1Q)の流通額が前年同期比101.69%の472億円だったと発表した。ここ数年のECの利用状況を見てみると、20年は巣ごもりで急拡大。21年、22年は鈍化しながらも前年を割り込むことはなく、定着したことを示している。
行動制限なしのGWで「リアル回帰」現象も
4月~6月は前年同期と比べ、外出や旅行機会が増加。「県民割」「地域ブロック割」に代表されるような近距離~中距離の旅行促進施策の実施や、3年ぶりに行動制限なしのGWになるなど、感染症対策を行いながら外出する姿が増加。「リアル回帰」といえる状況だった。
同時期の流通額の上位業者(前年同期比)は、「旅行用品・旅行予約」(178.10%)、「ギフト」(145.85%)、「ペットフード・ペット用品」(116.69%)、「靴」(112.28%)、「スポーツ・アウトドア」(111.84%)。外出機会の増加傾向が顕著に表れた結果となった。
期間中の生活者のEC利用(前年同月比)はどう変化していたのか。4月、5月、6月の注文件数が100件以上の店舗から500店舗を無作為に抽出し、調査した。
5月の長期休暇でリアル店舗での購入が増加か
「注文件数の変化」については、「デバイス全体」が4月から順に107.01%→103.91%→110.34%、「スマホ経由」が105.47%→100.50%→109.42%、「PC経由」は101.50%→99.96%→104.20%。注文件数は5月のPC経由が微減。それ以外の月・デバイスでは増加した。5月が他月と比較し、注文件数の増加率が少ない理由としては、3年ぶりに行動制限が解かれた長期休暇で外出する機会が多く、リアル回帰が強かったと推察できる。
「購入単価の変化」では、「スマホ経由」が106.09%→106.29%→107.22%、「PC経由」が106.50%→106.97%→107.21%。継続して両デバイスとも上昇。2年前、巣ごもり一色となった20年4月~6月期に購入単価が下降した以外は、一貫して購入単価は上昇傾向にある。
各店舗のPC経由購入単価を1とした際のスマホ経由購入単価を算出し、平均にならした結果は、0.87→0.87→0.87。スマホ経由の決済はPC経由よりも低いという結果はこれまでの調査と変わりないが、PC経由とスマホ経由の購入単価の差は縮小傾向にある。
ECモールのID決済・QRコード決済の利用が増加傾向に
「新規顧客利用状況」は118.54%→111.50%→111.08%。期間平均は新規顧客利用が前年比113.71%だった。巣ごもり需要がピークだった2年前から観測を続けているが、調査対象の店舗では新規顧客利用もマイナスになることなく、堅調に伸びている。
「決済手段の変化」は「クレジットカード」が52.77%→52.46%→52.63%、「ID・QR」が25.24%→25.74%→25.84%、「現金・その他」は21.98%→21.80%→21.52%となった。
利用した決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay、d払いなどのキャリア決済)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分けた。前回の調査と同様、クレジットカード利用の割合はほぼ変わらず。ID・QR決済利用が増加し、現金利用が減少している。
また、決済方法を3つとも提供している348店舗への調査では、前回の調査と同じく、キャッシュレス利用が全体の8割を占める結果となった。
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