2018.3.20

「バーチャルEC」の時代が到来?楽天がMR体験イベントを開催

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仮想空間に映像や動画を浮き上がらせ、ECと実店舗を融合した「バーチャルEC」の誕生を予感させるイベントが開催された――。楽天(株)は16日、「楽天カフェ渋谷公園通り店」(東京都渋谷区)3階のFCバルセロナフロアで、現実と仮想(画像や動画など)を融合する複合現実(MR)技術を活用した映像コンテンツの体験イベントを開始した。

 

FCバルセロナフロアで、ユニフォームから映像コンテンツを操作する様子

楽天カフェのFCバルセロナフロアにレジェンドが登場

 同コンテンツでは、ジェスチャーを認識するヘッドギア端末「マイクロソフト・ホロレンズ(Microsoft Hololens)」をかぶり、同フロアに展示しているFCバルセロナのユニフォームをクリックする動作(ポインタの丸印を親指と人差し指でつまむ)をすると、ユニフォームを着た選手の画像や動画コンテンツが現れ、仮想現実を体験することができる。

 

 「マイクロソフト・ホロレンズ」は、端末からライトが照射され、その奥行きなどを計算することで、ジェスチャーを認識している。同端末を使用し、画像や動画などをコンテンツ化するMR技術は、楽天技術研究所でも開発しており、今回のコンテンツも同研究所のMR技術が利用されている。

 

 同イベントは、16日から31日までの間に7日間開催される。展示されているユニフォームには、FCバルセロナのレジェンドであるヨハン・クライフ氏が1973-74年シーズンに着用したモデルで、世界に5枚しかない貴重なものもある。このユニフォームをクリックすると、往年のクライフ氏が躍動する写真が、視聴者を取り囲むように現れる。

 

 同社では、FCバルセロナのグローバルパートナーとなったことをきっかけに、ファンが集まる場所として「楽天カフェ渋谷」の3Fを「FCバルセロナフロア」に改装。FCバルセロナ戦のサッカー中継など、スポーツイベントを定期的に開催している。

 

世界に5枚しかないユニフォーム。ここからレジェントが飛び出す。

ネット通販とリアル店舗を仮想現実で融合した「バーチャルEC」誕生も

 今回、FCバルセロナフロアで、楽天研究所の技術を活用した取り組みを検討していたところ、美術館でレシーバーから流れる情報を画像や動画で表現する着想をヒントに、今回のイベントを実現した。

 

 MR技術を活用し、FCバルセロナのユニフォームから選手の画像や動画が流れるイベントは、世界でも楽天カフェのみでしている取り組みで、このイベントに参加することを目的に、日本を訪れたスペイン在住のバルセロナサポーターもいるという。

 

 米国では同端末を利用し、スポーツ観戦時に着用することで、立体的なスタジアムが飛び出し、選手の情報などとともに、スポーツを観戦するサービスが構想されている。

 

 今後、MR技術が楽天の事業に活用されることを予測すると、すぐにでも利用できるの用途は、楽天に出店する店舗でのイベントや、提携先である西友の店舗でのイベントなどが挙げられる。店舗にある商品から画像や動画が飛び出し、実物の商品に加え、画像や動画で説明するECの良さを融合させたコンテンツを提供することもできるだろう。ファッション関連の商品を例にすれば、気に入った洋服などから、その洋服を身に着けているモデルの画像や、モデルが動いている動画が飛び出し、気に入ったら購入するといったことも可能になる。

 

 また、MR技術の開発が進めば、家にいながら、ネット通販のページに掲載されている画像から商品が飛び出し、立体的な画像から商品情報を確認できるようになることなどが予測できる。リアル店舗とECを仮想現実で融合させた「バーチャルEC」の実現にも期待が寄せられる。

(山本 剛資)

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