2012.9.27

★成功ネットショップ:『北欧、暮らしの道具店』(3)

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北欧雑貨を販売する『北欧、暮らしの道具店』は、2007年にネットショップをオープンして1年3カ月後、楽天市場にも出店した。「やると決めたら、徹底する性格」という経営者兼プロデューサーの青木耕平氏は、出店後、半年間で700万円近くの広告費を投じて集客に精を出した。おかげで、月に300万円ほどの売り上げに達し、売り上げ全体の35%を占めるまでになった。 しかし、出店した翌年には、すでに強い疑問を感じながら運営していた。 やはりというか、楽天市場に出店してメリットがあるのは、大量に仕入れてそれを安く販売できる粗利率の高いお店だったんです。例えば花粉症の時期になると、空気清浄器は確実に需要が見込めますよね? そういう商品を、ベストなタイミングで大量に仕入れ、多額の広告費を投じて一気に売りさばくタイプのお店なら、向いていると思うんです」 前回でも紹介した通り、同店の平均客単価は1万円前後。「この商品、かわいいな」と思って情熱が高まらない限り、購入に結びつくことはない商材だ。多額の広告費を投じて場当たり的にお店を見つけてもらっても、空気清浄器のような爆発的なヒットは望めないのだ。 「大量に仕入れてそれを安く販売できる粗利率の高い お店と楽しくてこんなものを買っちゃったというお店と では“売り方”が違うと思います」と語る青木耕平氏 「雑貨屋って、そもそも、欲しい商品が決まってて訪れるところではないですよね。雑貨屋に行くことそのものが目的で、いろいろ見ているうちに、楽しくてこんなものを買っちゃったというのが本質です。そう考えていくと、ますます広告出稿に疑問を感じました」

1年半かけて楽天から撤退

そもそも、青木氏が楽天市場へ出店したのは、楽天という検索エンジンに乗せてもらえるからという明確な理由があった。ところが、実際に出店してみると、その検索エンジンのアラが目立ったそうだ。 「少なくとも僕が出店していたときは、SEO対策をすれば上位にくるシステムではなかった。せいぜい商品ページのタイトルと、キャッチコピーを拾うぐらいで、商品の説明文などはまず読んでいなかったと思います。もっとも、うちのような雑貨は、『こんな雰囲気の商品で…』と曖昧に検索する方がたくさんいますから、もともと楽天の検索エンジンとは相容れない面はあったと思います。その頃から、撤退の二文字が頭をよぎりました」 とはいえ、全売り上げの35%を占めていたのだ。撤退にあたり、不安はなかったのだろうか。 「もちろん、ありましたよ。だから、その後、1年半かけて売り上げ比を下げ、撤退月には8%まで落としました。その間、新商品は一切アップせず、1円の広告費も投資しなかったんですから、当然、売り上げは下がりますよね」 いざ撤退しても、自社サイトの売り上げに影響はなかった。撤退以後も前年同月対比170%超の成長ペースが落ちることはなかった。 「楽天市場を撤退した翌月から本店アクセス数も20%以上向上しました。おそらくポイントが使えるなどの利便性を理由に楽天市場店でお買い物していたお客様の多くが、本店に足を運んでくださったのではないかと推測しています」

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