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通販通信ECMOニュース・記事コラム★成功ネットショップ『ワイシャツ専門サイトozie』(2)

2012.01.25 コラム

★成功ネットショップ『ワイシャツ専門サイトozie』(2)

他店と比較されても負けないトップページ戦略

インターネット消費の一般化とともに拡大を続けるEC業界。だが流通大手やメーカーの相次ぐ進出で、生き残りは厳しさを増している。他を寄せ付けない“強いECサイト”は何を考え、何を実行しているのか? いま注目のECサイトの運営者に、EC事業の戦略から具体的なマーケティング施策まで話を聞く。

リニューアルにあたって「自由で快適なシャツスタイルの提案する」「ライフスタイルの変革・改革に貢献する」という理念を再定義したワイシャツ通販サイトの『ozie』(オジエ)。店長の柳田敏正氏らが次に取り組んだのは、「自社の強み」を明確にすることだった。 ozieが販売するワイシャツのような商品の場合、ユーザーは必ずいくつかのショップで商品を比較し、最終的にどこで買うか決める。一度離れたユーザーを再びサイトへ呼び戻し、商品を購入してもらうためには、「このサイトで買えば得をする」と感じてもらわなければならない。そのためには分かりやすい「自社の強み」が必要だった。 とはいえ「強み」は、とかく自社にとって都合のいい思い込みになりがちだ。競合他社と比べたときのozieの客観的な強みとは何だろうか? 真っ先に思いつくのは、仕入れ商品ではなく、すべての商品が自社で企画したオリジナル商品ということだ。「他社で販売していない(できない)ワイシャツ」は、大きな強みになるのではないか。 「確かに、強みのひとつです。でも、オリジナル商品というだけではまだ弱い。たとえば、当社の競合になるA社は、オリジナル商品のワイシャツを製造・販売している人気メーカーですが、当社がネットショップを始めた2002年以前から営業していますし、実店舗を構え、知名度も高い。1枚5000円台の中心価格帯も似ています。だから、A社が販売するオリジナル商品とどこが違うのか明確に打ち出せなければ、後発に勝ち目はありません」(柳田氏)。 “ozieならでは”を全面に出せるもの――。柳田さんはサイト制作を担当したゴンウェブコンサルティングの権 成俊代表らと熟考を重ね、最終的に「商品の独創性と多様性を支える“商品開発力”」だと結論づけた。 「A社は、一貫してイギリスの伝統的なデザインのシャツを作っている。伝統的なデザインにこだわり続けることで、『トラッド系シャツならA社』というブランドイメージを確立しています。これに対し、ozieのモットーは、伝統は踏まえつつも、もっと自由な発想を取り入れたシャツを提供すること。シャツでは珍しい生地を使うなど、他社がまだやっていないことを積極的に取り入れているのが、A社との大きな違いです。しかも、週に1回は新商品として発表している。この商品開発力は、他社に負けない強みだと確信しました」 ozieならではのブランドイメージを構築するため、ozieが展開する商品のポジションも見つめ直した。 「ozieのワイシャツは、1枚3万円もするGUCCIのような高級ブランド品ではありません。かといって、『5枚で4000円』で叩き売りする激安商品でもない。1枚5000円のワイシャツですから、ひとたび売り方を間違えれば、『高くも安くもない、中途半端な店』という印象を与えてしまいます。そこで、『1枚5000円。なのに、高品質でデザインもいい』というozieの商品価値が最大限に伝わるようにしたいと考えました」

理念、強み、ブランド価値をトップページに集約

 ozieを初めて訪れるユーザーは、家電製品のように型番や商品名を検索エンジンに入力して、たまたまた引っかかった商品詳細ページを訪れるわけではない。多くのユーザーは、「ワイシャツ」「Yシャツ」などのビッグキーワードを検索してトップページへやってくる。だからこそ、ozieにとってトップページの役割は重大で、自社や商品の魅力をいかに訴求できるかが問われる。 新しいozieのトップページは、次のような3つのポイントを盛り込み、ozieの強みとブランド価値が十分伝わるものになっている。

1.自社の理念と強みを豊富な商品画像と簡潔なキャッチコピーで表現

 トップページを開くと目に飛び込むのが、50枚ものワイシャツが並んだインパクトのあるキービジュアルだ。初めて訪れたユーザーにもワイシャツ専門店であることがひと目で分かり、デザイン・色・柄とも、豊富なバリエーションが揃っていることが伝わる。ozieの強みである「商品開発力」を象徴するトップページだ。

 キービジュアルの中央部には「伝統×革新」というキャッチコピーを置いた。「伝統的なスタイルを踏まえつつ、自由な発想を加えたワイシャツを提供する」というozieの理念を一言で表現する、シンプルで力強いコピーだ。  

2.自社の強みをより具体的に伝える簡潔な文章

 商品画像だけでは伝えきれない、「全商品がオリジナル」「常時500点以上のシャツが揃う」といったより具体的な強みは、ページ下部に[ozieシャツの特徴]として箇条書きでまとめた。5つの項目に整理して簡潔な文章にまとめたことで、ユーザーの目に留まりやすくなり、自社の強みをすぐに理解してもらえるようになった。

3.「手頃。だけど、高品質」というブランドイメージをビジュアルで表現

 単なる安い店ではなく、「手頃。だけど、高品質でデザインも種類も豊富」というブランドイメージを訴求するため、モデルを起用したキービジュアルも用意した。ozieのコアな客層である30〜40代の男性、30代の女性モデルに商品を着てもらったことで、着用シーンをイメージしやすくし、ワイシャツ=消耗品と考えている顧客層にもワイシャツを選ぶ楽しみ、おしゃれをする楽しみを併せて提案している。

 黒をベースにした落ち着いたページデザイン、セリフ系の書体をベースにデザインされた新しいロゴマークも、高品質なブランドイメージを表現している。

トップページはあくまでもシンプルに

 理念、強み、ブランドイメージを盛り込んだ新生「ozie」のトップページ。必要な要素をすべて満たしつつも、実にすっきりとまとまっている。 「トップページは、雑誌でいえば表紙、実店舗でいえば入口です。絶対に伝えなければならないメッセージを、ビジュアルも駆使しながらも簡潔にアピールしなくてはなりません。プロの手を借りれば、それができる。今回のリニューアルを通じて痛感しました」 一方で新しいトップページは、もうひとつ重要な役割を担っていた。リニューアルのきっかけになった「不明瞭なカテゴリ」問題の解決だ。次回は、リニューアルで取り組んだナビゲーションの改善について紹介する。(続く)

 

(出典:ASCII.jp - Web Professional

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理念あるリニューアルで前年比140%のYシャツ店 ozie(オジエ)http://www.ozie.co.jp/ 1970年創業(前身は1929年創業)の柳田織物が運営するワイシャツ販売の専門サイト。バーニーズニューヨークで接客経験を磨いた4代目の柳田敏正氏が中心となり、2002年にオープン。2011年1月、全面リニューアル。 ・運営会社:株式会社柳田織物 ・オープン:2002年 ・従業員数:15名(うちネット通販事業専業5名) ・年商:1億4000万円(EC事業のみ) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

理念あるリニューアルで前年比140%のYシャツ店 他店と比較されても負けないトップページ戦略


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